トライアンフのニューモデル「ボンネビル ボバー ブラック」を最速でインプレッション
- 掲載日/2018年01月23日
- 写真・文/田中 宏亮
取材協力/トライアンフ モーターサイクルズ ジャパン
よりカスタムテイストを漂わせる
ハードブラックモデルが登場
新設計のリジッド型フレームを備えたトライアンフ・モダンクラシックの新機軸「ボンネビルボバー」にニューフェイスが加わった。その名も「ボンネビル ボバー ブラック」(以下 BBB)。ネーミングだけ見れば「ただボディを黒くしただけか」と思いがちだが、実はそれにとどまらない仕様変更がいくつかあるモデルなのだ。従来のボンネビルボバーとの違いを打ち出しつつ、新しいキャラクターを見せつけてくるBBBの本質に迫ってみよう。
トライアンフ ボンネビル ボバー ブラック 特徴
カラーリング以上の
個性を強めたモデル
「ボバーとはなんぞや?」という読者諸兄にわかりやすく解説しよう。「短い」という意味を持つボバーとは、チョッパーやレーサー、スクランブラーといったバイクカスタムのスタイルのひとつで、原点は1940年代のアメリカにある。当時リアサスペンションという発想がなかったことから、リアショックそのものを持たないリジッドフレームがバイクの基本骨格とされ、それらモデルをベースにストリートでのシグナルレースやダートトラックレース用にフロントフェンダーを取り払うなどソリッドに仕上げたスタイルを「ボバー」と呼んだ。
現代のカスタムシーンにおいても「ボバー」は人気あるスタイルのひとつで、この1940年代当時のビンテージレーサーを模したカスタムバイクは日本のみならず、アメリカやヨーロッパでもさまざまなタイプのモデルがシーンを賑わせている。ボンネビルボバーは、まさにそんな白熱するシーンの申し子として送り出されたモデルなのだ。
このBBBと、ベースモデルであるボンネビルボバーの違いは何か? それはネーミングにもある通り、フルブラックでまとめられたボディである。それも、黒くないところを探す方が難しいとさえ思えるほど徹底しているのだ。
エンジンはもちろん、タンク、フェンダー、オイルタンクもブラックアウト。さらにはエキゾーストやホイールのリムまで真っ黒だ。フロントフォークを見ても、トップ & アンダーブリッジはもとより、フォークブーツまで履いているから全体がブラックにさえ見えてしまう。BBBの名に恥じない徹底ぶりと言えよう。
そして、ボンネビルボバーとの違いはフロント周りに集約されている。そう、19インチだったフロントホイールは16インチ化され、フォーク径も41mmから47mmへ一気に剛性アップ。さらにシングルだったブレーキもダブル化されるなど、フットワークが大幅にパワーアップした。そしてタイヤはカスタムシーンで人気のブランド「AVON」(エイボン)社のCOBRAというモデルだ。
今回初採用となる5インチヘッドライトはもちろんLED仕様で、ボンネビルボバーにも換装可能だ。「ロード」と「レイン」の2タイプのライディングモードはボンネビルボバーと同じ設定で、ここにロングツーリングを快適にするクルーズコントロールボタンが追加された。ライドバイワイヤー、切り替え式のトラクションコントロールも装備済みである。
そんな充実の装備を誇るBBBの心臓となるのが、今やトライアンフのモデンクラシックモデルの根幹でもある水冷並列2気筒 SOHC 8バルブエンジンだ。ボンネビルT120やスラクストンにも搭載される排気量1,200ccのエンジンで、バーチカルツインはトライアンフのアイデンティティだ。水冷エンジンに不可欠なラジエターも最小限のサイズに収められるなど、ビジュアルに対する配慮も欠かない。
……と、ただのブラックアウトモデルにとどまらない仕様変更がなされたBBB。試乗前から好奇心が止まらない同モデル、それでは実際のインプレッションへと進んでいこう。
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