【EICMA2019レポート】「T120 Bud Ekins／T100 Bud Ekins Special Edition」に「THRUXTON RS」「Bobber TFC」をワールドローンチ
- 掲載日／2019年11月25日
- 取材協力／トライアンフ モーターサイクルズ ジャパン 取材・写真・文／河野 正士
ボンネビルの限定モデルなど
4台の新型車を発表
トライアンフは、イタリア・ミラノで開催されたでEICMA2019（エイクマ／ミラノ国際モーターサイクルショー）で2020年モデルを発表した。EICMAは11月5日と6日がプレスデー、7日から10日までが一般公開日であった。主催者によると期間中80万人に近い来場者数を記録したという。そのプレスカンファレンスのトップバッターとしてニューモデルを発表したのがトライアンフである。
2019年からロードレース世界選手権(MotoGP)Moto2クラスの公式エンジンサプライヤーとなったトライアンフは、その開発で培った経験と技術力を活かし、ミドル排気量の販売台数限定のスポーツモデルに加え、同じくレースシーンからのフィードバックを受けたスポーツネイキッドモデルを、EICMA前に発表し話題となった。
そして、ここEICMAではトライアンフのスタンダードモデルとも言える、270度クランクを採用する水冷並列2気筒エンジン搭載モデルのボンネビル・シリーズのスペシャルエディション「T120 Bud Ekins／T100 Bud Ekins(バド・イーキンズ) Special Edition」を発表。同じく、排気量1200ccの水冷並列2気筒エンジンを抱くカフェレーサーモデルをバージョンアップした「THRUXTON RS(スラクストン・アールエス)」をラインナップに加えた。また2019年からスタートしたメーカー・カスタムの限定車シリーズ／TFC(トライアンフ・ファクトリー・カスタム)に「Bobber TFC」を追加した。
これによりトライアンフは、最新のテクノロジーを詰め込んだスポーツモデルと、トライアンフらしい世界観を追求したスタンダードモデルの両輪を強化したこととなる。
自社製作のカスタムパーツやセレクトしたパーツを、トライアンフの工場でセットアップし台数限定で販売する「TFC／トライアンフ・ファクトリー・カスタム」。2019年初頭に第一弾モデルがリリースされた。このEICMAでは、その第三弾モデルとなる「Bobber TFC」が追加された。前後サスペンションやブレ－キ周りをグレードアップ。セパレートハンドルやレザーシートなど、特別な外装類も装着される。加えてエンジンパーツを変更し、出力も大幅にパワーアップしている。
270度クランク採用の並列2気筒エンジンを抱くトライアンフのスタンダードモデル／ボンネビル・シリーズは、排気量1200ccのT120と排気量900ccのT100をラインナップ。その2つのモデルに、限定モデル「Bonnevile T120 Bud Ekins／Bonnevile T100 Bud Ekins Special Edition」を発表した。 Bud Ekins(バド・イーキンズ)は、俳優スティーブ・マックィーンの親友であり、また彼のバイク周りのサポートをした人物で、オフロードレースのトップライダーであり、同時にプロのスタントライダーでもあった。映画「大脱走」の有名なジャンプシーンは、彼のライディングによるものだった。2台のスペシャルモデルには、特別なペイントやロゴマークをデザイン。特別なパーツも多数採用されている。
カフェレーサースタイルのスラクストンシリーズには、パワーアップしたエンジンとパフォーマンスを高めた前後サスペンションなどを装着するスポーツバージョン「Thruxton RS(スラクストン・アールエス)」を追加した。エンジンは8PSのパワーアップに留まることなく、内部パーツの軽量化によりレスポンスを向上。最大トルク発生回転を低くすることで扱いやすさもアップしている。また80種類のアクセサリーパーツが用意され、カスタマイズも楽しめる。
ロードレース世界選手権(MotoGP)のミドル排気量クラス／Moto2のオフィシャルエンジンサプライヤーとなったトライアンフ。その開発で培った知識や技術を投入した台数限定のスーパースポーツモデル「Daytona Moto2 765」もお披露目。2019年マン島TTスーパースポーツクラスでトライアンフ・デイトナ675Rを駆り優勝したピーター・ヒックマンがライディングして、プレスの前に登場した。
EICMA直前に発表されたトライアンフのネイキッドスポーツモデルの最新版。それが「STREET TRIPLE RS(ストリートトリプル・アールエス)」。「Daytona Moto2 765」と同じ、Moto2直系のパワフルな並列3気筒エンジンを搭載。ストリートトリプル伝統の大きな二灯ヘッドライトを採用しながら、新しいデザインが与えられている。
縦置き直列3気筒というユニークなエンジン形式とともに、2500ccという量産バイクとして世界最大排気量を採用するのが「Rocket 3(ロケット・スリー)」。専用開発した純正アクセサリーも多数用意されている。
トライアンフのプレミアムなファクトリーカスタムシリーズ／TFCのファーストモデルがこの「Thruxton TFC(スラクストン・ティーエフシー)」だった。
過酷なデザートレースとして知られる“メキシカン1000”に参戦した「Scrambler1200XE Desert Racer」。約1600kmの砂漠のレースで、Scrambler1200XEのパフォーマンスを示すため、ほぼスタンダード状態で参戦した。そして5位で完走。多くのチームが排気量450ccのモトクロッサーをベースとしたマシンを使用し、複数のライダーが交替で参戦したのに対し、スクランブラーは排気量1200ccの市販車を使用し、ライダーもスタントライダーのアニー・ヴィジル一人で走りきった。
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