VIRGIN TRIUMPH | トライアンフの新型ストリートツインを試乗インプレ!モーターサイクルとの生活を満喫できる一台 試乗インプレッション

トライアンフの新型ストリートツインを試乗インプレ!モーターサイクルとの生活を満喫できる一台

トライアンフの新型ストリートツインを試乗インプレ!モーターサイクルとの生活を満喫できる一台のメイン写真
TRIUMPH STREET TWIN(2021)
ストリートツインは、トライアンフの伝統を今も受け継ぐ、バーチカルツインエンジンを搭載したモダンクラシックシリーズで定番の人気モデル。最新モデルではユーロ5に適合する上、各部が改良されている。

現行クラシックライン中で
もっとも愛されるベーシックなモデル

2021年モデルですべての車両をユーロ5に適合させて登場したトライアンフのモダンクラシックシリーズ。その中でももっともベーシックなモデルとなっているのがストリートツインだ。クラシカルなスタイリングに伝統的なバーチカルツインを搭載したストリートツインは2016年に登場し、瞬く間に人気を博した。最新の高性能バイクと対極の位置にあると言っても過言ではないストリートツインがなぜ多くのライダーに支持されているのか、それは、優しく包み込むようなぬくもりを持つ懐の深い存在感に惹きつけられるのかもしれない。登場から幾度か触れてきたストリートツイン、その最新モデルを吟味する。

ストリートツイン 特徴

大型モデル最初の一台でも
人生最後の一台としても

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ストリートツインは2016年に登場し、2019年にマイナーチェンジが行われた。そして今期、他のモダンクラシックシリーズモデルと並んで、ユーロ5に適合する仕様となり再び手が加えられた。2021年モデルではエンジンのアップデートのみならず、シートのクッションが10mm厚くされ、長時間走行でも疲れにくくなったことや、コントラストカットが施された新形状のキャストホイールが採用されているなど、ディテールも多岐に渡り変更されている。さらには手作業によるゴールドピンストライプが施され世界限定として1000台が生産されたゴールドライン リミテッドエディションも用意するなど、話題に尽きない。

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手を出しやすい価格帯であることや、過剰過ぎない性能、そして味わい深いキャラクターなどから、幅広い層から支持を受けており、大型免許取得をした際のファーストモデルとして、または人生最後の大型モーターサイクルとしてもお薦めできるパッケージとなっている。

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ストリートツイン 試乗インプレッション

優しく包み込むぬくもり感
牧歌的な乗り味こそ魅力の肝

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ブラッシュアップが施されたストリートツインだが、一見しただけではその相違点はなかなか伝わりにくい。それはモダンクラシックシリーズ全般に言えることでもある。従来モデルとよく見くらべてみると、リアサスペンションのバネのカラーリングがブラックからシルバーへと変更されていることや、ラジエーターの形状が若干異なるものが採用されていることなどが分かるが、何も聞かされず、それらをチェックできたとすれば相当マニアックな知識を有していると言える。

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コンパクトな車体に跨りエンジンを掛け、走り出す。ストリートツインは、スピードツインやT120、スラクストンなどに搭載される1200ccエンジンではなく、T100やストリートスクランブラーと同等の900ccバーチカルツインエンジンが採用されているが、低回転域でのトルク感が太く粘り強い特性とされていることもあり、最高出力こそ65馬力と抑えられた数値であるものの、想像以上に力強い走りを楽しむことができる。それとテスト車両は降ろしたての若い個体にも関わらず、マイルドな吹け上がりを得られたこともにも好印象を抱いた。

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突出したパフォーマンスこそ持さないが、心地よいサウンドに身を任せながら走らせていると、モーターサイクルを乗れることを心底幸せに思える。そこにストリートツインの魅力を見出すことができる。

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市街地、高速道路、ワインディングと走らせたが、どこでも必要にして十分の動力性能を発揮することができた。フロント18インチ、リア17インチというタイヤサイズは、直進安定性能は十分に、荷重移動をすることでリアからステアしてゆく、その感覚はクラシカルモデルらしいハンドリングである。標準装着されるタイヤはピレリのファントム・スポーツコンプでレトロなトレッドパターンでいながらも高いグリップ性能を持っているため、スポーツライディングも存分に楽しむことができた。前後17インチというタイヤサイズ設定のモデルが多い現代において、差別化されている点だと思える。

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16歳になりすぐに免許を取得した私は、最初こそ俗に言うレーサーレプリカにハマりワインディングに通ったクチであったが、並行してオーソドックスなシングルエンジンモデルやオフロードバイク、ビッグスクーターなどもそっせんして所有することで、別の世界の魅力も追及していった。今思い返せば、ストリートツインのようなモデルと出会えれば、一台で日常使い、ツーリング、タンデムデートなど、モーターサイクルを使い考えられるすべてのシチュエーションを、無理せずにまんべんなく楽しむことができたのかもしれない。そう考えると、新車価格110万5000円というのは、かなりバリュープライスに思えるものだ。最新モデルはとても良い出来であることは、今回のテストで分かったが、中古流通も多少あるので、そちらを物色して見るのも良いだろう。

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ストリートツイン 詳細写真

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厳しい排出ガス規制であるユーロ5をクリアしつつも、最高出力65馬力/7500rpm、最大トルク80Nm/3800rpmとスペックを据え置きした900cc水冷バーチカルツインエンジン。ラジエーターの形状が若干変更されている。
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新形状ホイールが採用されているが、従来型とかなり似た印象。フロントタイヤサイズは100/90-18であり、昨今のスポーツモデルと比較すると、細身かつ多少大径気味。寝かせはじめで、少々立ちが強い手ごたえ。ブレーキはシングルだが十分な制動力。
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オーソドックスな丸型ヘッドライトを採用。H4バルブにマルチリフレクターの組み合わせで、照射角も広く、夜間走行も安心できる。ヘッドライトケースがブラックアウトされていることもあり、引き締まった顔つきとなっている。
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ギヤチェンジレバーはミッションケースから直接出される方式。直立に近いライディングポジションであり、ステップ位置も自然な乗車姿勢に寄与するものとなっている。
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標準装着されるタイヤは、ピレリのファントム・スポーツコンプ。レトロなトレッドパターンがストリートツインの雰囲気に良くマッチしている。ABSやトラクションコントロールも標準で装備されている。
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トライアンフのバーチカルツインエンジンの魅力はパフォーマンスもさることながら、心地よいサウンドにある。エキゾーストシステムは左右2本出しとされ、シンプルな形状は好印象を受ける。
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シンプルなシングルメーターを採用。周囲を速度計とし、中央の液晶パネル部分に回転計やトリップメーター、さらにギヤポジションやライディングモード、残燃料などが表示される。
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ショート気味にチョップされたリアフェンダーに、テールランプをはじめとした補器類がセットされる。カフェレーサーライクなスタイリングで纏められている。
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リアサスペンションはツインショックタイプ。バネ部分がシルバーカラーに変更された。プリロード調整機構を備えているので、シチュエーションに合わせて調整したい。
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たっぷりとした座面を持たされたライディングシート。従来モデルと比べ、クッションが10mm厚くされたものの、シート高は765mmと低く抑えられており、足つき性は良好。タンデム側はフラットで荷物の積載性も良い。
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ゆるやかにラウンドした形状のハンドルバーは、リラックスしたライディングポジションをもたらしてくれる。モードボタンで、ロード、レインのライディングモードセレクトを、インフォメーションボタンで、メーター内液晶パネル部の表示を変更できる。
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丸みを帯びた燃料タンクは、ストリートツインのアイデンティティ。タンク容量は12L。見た目以上に細身なので、小柄なライダーでも足を大きく開かずに挟み込むことができる。
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シート下に収納スペースはほぼ無い。ETC車載器を何とかセットできるかどうかといったところだ。ただしUSB電源が備わっており、ガジェット類や電熱ウエアを使用することができる。

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