VIRGIN TRIUMPH | トライアンフの「ストリートトリプルRS」を試乗インプレ!現在トップクラスのファンスポーツモデル 試乗インプレッション

トライアンフの「ストリートトリプルRS」を試乗インプレ!現在トップクラスのファンスポーツモデル

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TRIUMPH STREET TRIPLE RS(2022)
トライアンフのミドルクラススポーツラインであるストリートトリプル、その最高峰モデルに位置するストリートトリプルRSは、戦闘力と扱いやすさを高次元でバランスさせた魅力あふれるスポーツバイクだ。

Moto2レーサー直系の
エンジンを持つスポーツモデル

2008年、当時トライアンフがラインナップしていたフルカウルスポーツモデル、デイトナ675のネイキッドバージョンとして登場した初代ストリートトリプル。すでにトライアンフのフラッグシップストリートファイターモデルとして人気を博していたスピードトリプルの弟分的な存在という立ち位置ではあったが、むしろ操る楽しさはストリートトリプルの方が大きく、今もなお幅広い層に支持されるロングセラーモデルへと成長した。

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トライアンフの中間排気量のトリプルエンジンは、世界最高峰ロードレースに準ずるMoto2クラスにおいて2019年から公式採用されており、ストリートトリプルにはその直系のエンジンが搭載されている。その中でもエンジンパフォーマンスを引き上げられ足まわりにグレードの高い装備がもたらされた最上位モデルとなるストリートトリプルRSを今回は紹介する。

ストリートトリプルRS 特徴

幅広いライダーにお薦めしたい
ネイキッドスポーツの完成形

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ストリートトリプルRSは、2017年に行われたストリートトリプルのフルモデルチェンジでラインナップに加わった。2020年にはマイナーチェンジが施され今に至っている。グレード的な解釈をするとスタンダードモデルにあたり排気量が抑えられていた”S”、そのRSと排気量を同じとしながらも出力が抑えられた”R”、そしてフラッグシップグレードの”RS”となり、現在はSの販売は行われておらず、日本向けローダウン仕様とされたRと、今回のRSのみとなっている。

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このことを側面から見てみると、昨年初頭にトライアンフのロードスターセグメントには、ボトムアップモデルとしての意味も持たされたトライデント660が新たに加わっていることが分かる。このことにより、ストリートトリプルのスタンダードパートを賄っていたSグレードがラインナップから省かれたと考えていただいて間違いはないだろう。

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さて肝心のストリートトリプルRSなのだが、Moto2エンジン開発チームによってアップデートされたという765ccトリプルエンジンは最高出力123馬力、最大トルク79Nmを発生、これはRと比べ5馬力、2Nm高い数値となっている。さらにリアサスペンションにはオーリンズ製のフルアジャスタブルショックがセットされているほか、ブレンボ製フロントブレーキキャリパーも上位グレードが採用されている。これらの装備からも、より上質なスポーツライディングに特化した仕上がりとされていることが分かる。それでは実際に走らせ、テストを行っていくことにする。

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ストリートトリプルRS 試乗インプレッション

刺激的な乗り味と、
毎日乗りたくなる心地よさ

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ストリートトリプルRSは、カラースキームからしてスポーツ度の高い印象を受けるものだ。車体に跨ると、日本市場に向けたローダウン仕様とされたRと比べて45mm高い、825mmのシートであるものの、スリムで軽量な車体なので足つき性に関しては気になることはない。イグニッションキーをオンにすると、フルカラー5インチTFTディスプレイが目を覚まし各部のキャリブレーションを行う。RグレードはLCDディスプレイが用いられているので、走り出す前から両者の違いを感じさせてくれる。

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エンジンを掛けて発進する。相変わらずトライアンフのミドルトリプルエンジンはサウンドが良い。吸排気、エンジン、すべての音が心地よく体に響いてくるのだ。環境性能も意識したセッティングであることも要因のはずだが、ゼロスタート時のクラッチが繋がる一瞬だけ、エンストを誘う回転の落ち込みが感じられた。しかしそれもクラッチワークの慣れでカバーできるもの。それに走り出してしまえばクイックシフターのおかげで、レバー操作は基本的に行わないで済む。

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低中回転域でのトルクもしっかりしているので市街地でも扱いやすい。軽量であり鋭く倒しこめるので、交差点一つパスするのも楽しく思えてしまう。首都高速から中央自動車道を繋ぐ高速道路のステージでは、1万2000回転からのレッドゾーンまで一気に突き抜けるような力強さをダイレクトに得られ、それには官能的な印象を受けるとともに、サーキットでも是非走らせてみたいと思わせてくれた。

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ワインディングロードではゆっくり走らせても、スピードを上げても決まったラインをトレースできる上、どのように走らせても楽しくそして気持ちが良い。フロントフォークを立ててセットすることが多いストリートファイター系ネイキッドスポーツは、急なフロントの切れ込みなどトリッキーな動きをするモデルも中にはあるのだが、ストリートトリプルRSはそれをみじんも感じさせないどころか、強烈な旋回性能を持っており、特に足まわりの動き、アスファルトを食らいつく接地感は格別なものがある。トータルバランスの良さに脱帽するほどである。

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私は直近1年半の間に、ストリートトリプルR、トライデント660、さらにスピードトリプルRR、RSとトライアンフのロードスターシリーズのテストを行ってきた。その上で今回のストリートトリプルRSを考えてみると、プレミアム感の強いライトウエイトスポーツモデルとして、そして公道をメインに使用することも踏まえて、最も完成しているモデルになっていると思えた。もちろん好みの面もあるだろうし、ライディングスタイルによっては他のモデルの方が、より扱いやすいと感じるライダーもいるかもしれない。価格面に関してもこれほどの仕上がり、そして装備でありながら146万5000円というのはお買い得感すら持つ。私は全方位死角なし、これぞスポーツバイクの決定版として人に薦めたいと思う。

ストリートトリプルRS 詳細写真

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Moto2マシン直系の水冷DOHC並列3気筒エンジン。ボア×ストロークは77.99×53.38mmで排気量765cc。ロード、レイン、スポーツ、トラック、そして任意設定の5つのライディングモードを備えている。
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フロントブレーキキャリパーはブレンボ社の上級グレードであるM50 4ピストンモノブロックをセット。なおブレーキレバーにはレバー比を19mmと21mmから選択できるブレンボ社のMCS(マルチクリックシステム)19.21が採用されている。
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ストリートトリプルのアイデンティティである2灯ヘッドライト。その上に備わるメーターバイザー中央はエアインテークとなっている。LEDヘッドライトは明るく、夜道でも不安なく走らせることができた。
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トライアンフシフトアシスト(クイックシフター)のシフト操作は感触が良く、質感の高さを感じさせる。ステップバーの形状、位置、フィールプレートの剛性感の高さなどから、ステップ入力だけでも自在に車体を操ることができる。
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フルカラー5インチTFTディスプレイの採用は、ストリートトリプルRとの大きな違いの一つとなっている。周囲の光量によって明暗を自動反転させるほか、角度の調整も行える。表示スタイルは4パターンから選択することができる。
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湾曲スイングアームは鋳造アルミ合金製。ホイールベースは1405mmとスーパースポーツモデルとして考えると、やや長く設定されており直進安定性も高い。スリッパ―クラッチも装備しているので、ラフなシフトダウンでもリアがホッピングすることはない。
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シートは825mmと高い数値だが、スリムかつ軽量な車体なので、足つきも不安はない。シート形状、表皮の質感も良く、長時間乗っていても疲れにくい。なお、日本で販売されているストリートトリプルRはローダウン仕様でシート高780mmとかなり低い。
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燃料タンクは17.4リットルと十分な容量が確保されている。テスト車両はセミマットブラックにイエローとホワイトのラインがあしらわれたカラーリングだったが、これから流通するモデルはカーボンブラックで、タンクサイドに「RS」のロゴが備わるニューカラーとなる。
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メーターディスプレイの種類が違うこともあり、ストリートトリプルRと異なるタイプのスイッチボックスが採用されている。十字ファンクションスイッチでディスプレイ内をコントロールし、各種設定を行うことができる。バーエンドミラーもRSでは標準装備となる。
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リアサスペンションにはリザーバータンク別体のオーリンズ製フルアジャスタブルSTX40モノショックを採用。しなやか、かつ腰のある動きをもたらし、タイヤの接地感をライダーへダイレクトに伝えてくれる。
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テールランプ及びターンシグナルにはLEDライトが用いられており、後方からの視認性も高い。精悍でシャープに纏められたテールセクションはスポーティな雰囲気を引き立てている。
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タンデムシートカバーの下にはUSBソケットも備えたユーティリティスペースが確保されている。ETC車載器と書類、さらにプラスαほどの容量となっており、スマートフォンの充電などにも役立つだろう。

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