ニューボンネビルシリーズの先陣を切って、2016年1月21日に日本発売となった『ストリートツイン』。軽快かつフロントに接地感のある安定したハンドリングを楽しめるコーナリングなど、そのインプレッションを速報でお届けしよう。
鼓動感が増してハンドリングも熟成
電子制御で安心感もさらにアップした
2015年秋に発表となった新型ボンネビルシリーズの先陣を切って、2016年1月に国内投入された『ストリートツイン』のインプレッションを速報でお届けします。
ストリートツインは、新シリーズの中では最もモダンなデザインと軽量・コンパクトな車体を持ったモデルであり、位置付けとしては従来シリーズのキャストホイール仕様『ボンネビル』の後継と言っていいでしょう。
伝統の並列2気筒エンジンは新設計となり、水冷化されるとともに排気量も900ccに拡大。ロングストローク化と270度クランクの採用によって低中速域からのトルクをアップさせたことで、一発一発の鼓動がさらに明確に感じられるようになりました。排気量は違いますが、例えるならサンダーバードシリーズの270度クランクと似た感覚の粗粒なパルスがいい感じ。軽量を生かして、加速も俊敏です。
今回のモデルには電子デバイスもふんだんに盛り込まれていますが、ライド・バイ・ワイヤによるスロットルの感覚は自然で、ニッシン製の前後ディスクブレーキによるABSの作動感も穏やか。加えて、トラクションコントロールも、道路上にある滑りやすい鉄板ではしっかり作動するなど、とても安心できる仕上がりです。アシスト&スリッパークラッチでレバー操作が軽くなった点もポイント。
ハンドリングは軽快かつ安定感があり、特にフロントの接地感が豊富なことが気に入りました。従来のキャストホイール仕様が前後17インチだったのに対し、新型ではフロントホイールの18インチ化に加え、ピレリ製の専用タイヤを装着していることも大きいと思います。
伝統の中にもモダンなエッセンスを加えたデザインは新鮮で、ディテールの作り込みにも手をかけています。シート下にUSBポートを設けるなど、現代のIT化に対応した装備もうれしいですね。
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01ストリートツインには、新型ボンネビルシリーズの中でも最もモダンなデザインと軽量コンパクトな車体が与えられた。
02乾燥重量は、ボンネビルシリーズ最軽量となる198kg。ホイールベースは、従来モデルより約40mm短縮されている。
03シンプルかつスリムなフロントビュー。美しいアーチを描く左右2本のエキゾーストパイプがバーチカルツインを象徴する。左右2本のリアショック、2本出しマフラーがシンメトリーな安心感を与えるリアビュー。
04新設計の水冷並列2気筒SOHC、排気量900ccのエンジンは、ロングストローク型とされ、低中速トルクを従来比で18%アップ。水冷を表すラジエターも縦型とするなど、機能性とデザインのマッチングにこだわっている。エンジン後部のミッションケースに見える部分は樹脂カバーとなっている。
05往年のクラシック・トライアンフのイメージにこだわり、シリンダーヘッドは従来のDOHCからSOHCとし、小型化。また、爆発間隔を270度とすることで従来の360度にはなかったメリハリある鼓動感を演出している。キャブレターに見える部分はアルミカバーで、実は内側にFIシステムが隠されている。
06艶消しステンレスのアップタイプマフラーを採用。最新の水冷システムとの組み合わせにより、クリーンな排気とともに燃費性能は36%向上している。
07グレード感の高いアルミステップバーとペダルを採用。ラバー部分にはトライアンフのロゴが入るなど、個性を主張する。
08前後サスペンションはカヤバ製で、乗り心地も改善されている。リア側は伝統的なツインショックで5段階プリロード調整機構付き。
09ピンストライプが映えるブラック仕上げのキャストホイールは、フロントに18インチを採用。ニッシン製の前後ディスクブレーキは、ABS標準装備となり、安全性も高められた。
10リアブレーキは2ピストンキャリパーと255mmシングルディスクの組み合わせにより、強力かつコントローラブルだ。
11専用デザインの燃料タンクは、全体的な車体デザインのバランスを考慮して小ぶりな12リットル容量の設定。燃費が平均してリッター20km以上とかなり良いので、実用には問題ないはずだ。
12コンパクトな丸型ヘッドライトを採用。トライアンフのロゴ入りバルブキャップカバーがお洒落だ。艶消しタイプのアルミリムとステーの質感も高い。
13テールランプ&ストップランプにはLEDタイプを採用。
14往年の名作タイヤ、ピレリ・ファントムを彷彿させる新型タイヤは、前後重量配分を最適化したストリートツイン専用設計タイプ。
15シートはスポーティな薄型タイプだが、クッション性もなかなか。シート前部とタンク後端部が絞り込まれたデザインのため、足つき性はすこぶる良い。
16シート下に収納スペースはないが、現代にマッチしたUSBポートが設置されている。
17アナログ式スピードメーターの中に現代的なマルチファンクションメーターを備える。メーター表示はシンプルで見やすく、左手元のスイッチで簡単に切り替えできるなど操作性も良い。
18アップライトで視界が良く、ハンドルが近くてシートも低いなど、街乗りでの使い勝手にも優れている。