VIRGIN TRIUMPH | 旅先での迷いが人との出会いを導いてくれる 山田健さんのコラム

旅先での迷いが人との出会いを導いてくれる

  • 掲載日/2015年05月26日
  • 写真・文/山田 健

迷ったらチャンス!! 積極的に話す。言葉のうまい下手なんて関係ない。

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ロシア、モンゴル近く

旅を進める中で一番大切にしていることは、その土地をリアル感じること。それは、人との会話からでしか感じることができない。人との出会いのきっかけは、旅の中で“迷い”からがほとんどだった。たいていは、自分から通りすがりの人に話しかけることから始まる。時には、迷っている僕を察知して、話しかけてきてくれる親切な人もいた。

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イタリアの山道

人との出会いがそこで終わることはない。そこから友達を紹介されたり、家に招かれたり、時には、初対面にもかかわらず、ご飯を一緒にたべて、お酒を呑んでおごってもらったりすることもある。

ベルギーでは、いつものように1人でベルギービールを飲んでいたら、つまみがあまりにも多いので近くの人にあげたところ、その人達と夜の街へ繰り 出すことになった。初めての街、1人ではできなかった体験だ。

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ベルギーで出会った人たちと飲みに

スペインのアコルーニャでは、道に迷って話しかけたおじさんが目的地までの道のりを教えてくれて、その後「飲み行こう」ってなった。直感で“良い人”と感じたからO.K.なのだ。言葉は通じないから、ジェスチャーでコミュニケーション。語学に堪能でなくても、意思疎通は意外とできる。

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スペインでいただいたご馳走

この後、地元で何十ユーロ(数千円)もする、炭火で焼くステーキ料理までご馳走してくれた。別れ際には大事にしていたキーホルダーまでプレゼント!! 翌日財布を落として紛失してしまったが…(おじさん、すいません)。

いま思い返しても心に残っている風景には、いつも現地の人がそばにいる。ガイドブックでは絶対分かりえない、地元の人の生の声で情報が手に入って、おいしいお店、美しいスポットなど、出会いから会話を通して、やってみたい、行ってみたいがどんどん膨らみ、旅のプランが自然と仕立てられていく。

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ドイツ、お世話になった人と夕暮れ散歩
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ドイツの街並み

雨の日、寒い日であれば、べつに進まなくたっていい。旅は自由だから。決められたルートで走るのは、それ以上もそれ以下のこともない。ただレールの上を走っている感じが好きじゃない。何かハプニングがあったり、出会いがあるのが楽しい。大まかな期間はあるけれど、限られた日程で走るわけじゃないのでとにかく自由に走った。気の向くまま旅を満喫した。

※初対面の人についていく場合は危険を伴う場合があるのでご注意ください
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ルクセンブルクの街並み

ロシアからヨーロッパを走って、様々な種類の道もトラブルもあって、日本を出国したときより荷物は自然と洗練されていった。最初は不安だらけだから荷物は多くなるもの。その荷物が減っていくパターンはいくつかある。

①自分でいらないと思って捨ててしまうもの
重くて煩わしくなったもの、分厚い日記帳などがそれ。手書きのものを残したかったけど、今はデジタルなので処分。

②ほかのライダーなどからいらないと言われたもの
「この先はもう必要無い」と言われて捨てたガソリン携行缶など。

③盗まれてなくなるもの
1回目のクラッシュで吹っ飛んだバックミラー。このとき、最初は人が集まって手伝ってくれたけど、帰り際にミラーを持って「あばよ」って行ってしまった…。

④落としてなくなるもの
バイクカバーやキャンプ用木槌など。

無くなっても、必要なら買えばいいし、必要でなければ、荷物が少なくなるから結果オーライ。最初は多めに持って行き、不必要なものは減らしていけばいい。

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荷物は左右のパニアケースとトップケース、それに防水バッグに入れていた。よく出すものは防水バッグに入れている。パニアケースはバイクに固定されているので積載に困ることはないが、防水ケースは、最初はツーリングネットで固定していた。ツーリングネットの利便は、簡単でちょっとしたものも挟んだりできること。ただ強度が弱い。途中から荷締バンドにした。強度もあって使い勝手がいい。そんなとき、タイガー800XCの積載性はとても良かった。

タイガーは見れば分かるとおり、パイプのフレームがむき出しになっている。これはバイクの積載性を考えるととても自由度が高い。フックを引っ掛けたり、紐を通したり、旅する中で荷物をさまざまな方法で固定することができる。

旅を通して荷物整理ができる。旅を通して無駄な要素を排除することができる。自分もシンプルに洗練されていく気がする。走るなら、やっぱり荷物は軽いほうがいい。

次回も、タイガー800XCで大陸横断しながら感じた旅についてご紹介したいと思います。お楽しみに。

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