曲がる&止まる&馬力がある『クルーザーレンジ』
- 掲載日/2016年02月17日
- 写真・文/永松 利宏(トライアンフ広島)
気がつけば、ニューボンネビルシリーズの第1弾『ストリートツイン』が発売され、このコラムももう3回目になりました。みなさま、トライアンフライフを楽しまれていますか?今回は、クルーザーレンジについてお話ししていこうと思います。
じつは、個人的にもツーリングの相棒をロードスターからクルーザーへと本格的にチェンジしてみようと考えています。トライアンフのクルーザーは、堂々たるたたずまいにゆったりとしたライディングスタイル、そして“ゆとりのある馬力”を特徴としています。乗車姿勢も直立あるいは少し後傾で、ステップの位置がまっすぐ下かエンジン横前方のいずれか。シート高は低く、独特の雰囲気と力強さを兼ね備えた大排気量の並列2気筒エンジンを特徴としています。低回転域でも馬力があるため、頻繁にギアチェンジをする必要がなく、長距離クルージングを楽にこなせます。
2016年のラインナップとしては、スモールクルーザーと言われる排気量865cc空冷エンジンのアメリカ、アメリカLT、スピードマスター(輸入終了)、水冷の1,597ccエンジンを搭載するサンダーバード、1,699ccのサンダーバードストーム、サンダーバードコマンダー、サンダーバードLT、直列3気筒の2,294ccエンジンを搭載したロケットIIIロードスター(台数限定で輸入終了)があります。
シート高は、スモールクルーザーで690mm、サンダーバードシリーズで700mm、ロケットIIIロードスターで750mmと、どのレンジよりも低く設定されています。このことは、足つきの安心感による“精神的なゆとり”のあるツーリングにつながるでしょう。
それらを踏まえてトライアンフクルーザーの魅力をまとめると、排気量に余裕があり、低回転でトルクが発生するので、楽にツーリング=クルーズできるということ。通常の速度域であれば、ロードスターレンジと同じように、曲がる&止まるが普通に(当たり前に)できるのです。レンジやスタイルが違えども、普通にライディングできる……これって、すごいことだと思いませんか? 歴史あるトライアンフならではの『懐の深さ』を感じますよね。
私自身も、サンダーバードストームでお店のツーリングの先導をしたことがあります。すぐ後ろには、デイトナ675R、ストリートトリプルRのお客さま(=ペースが速い)がいて、通常のツーリング以上に気を使いました。しかしながら、問題なくいっしょに走ることが可能な懐の深さがあるのです。
当店のお客様で、サンダーバードに長く乗られていたT様にもご意見を聞いてみました。
「良いところは、希少性が高く、高級感もあり、所有欲を満たしてくれること。ツーリング先では、コミュニケーションのきっかけにもなります。海岸線や広域農道、高速道路などは言わずもがな、街乗りから山道まで不便を感じさせることのないトルクと、旋回性が大きな魅力です。
思い出は、角島、ビーナスライン、ミルクロードなど、数々の絶景をクルージングすることで、至福の時間へと誘ってくれたこと。また、視界ゼロの濃霧や土砂降りの峠道、日の沈むころ、人の気配のないアイスバーンでの立ち往生といった恐怖の体験でも安心感があったことも、今となっては良い思い出です」
説得力のある回答ですね。トライアンフのクルーザーレンジでツーリングを始めてみませんか? これまでとは違った風景やツーリングがきっとあなたを待っているはずですよ。
最後に、“トライアンフで行きたいツーリングスポット”のご紹介をさせてください。今回のコラムの1枚目に使った写真は、広島県呉市に近い瀬戸内海を走る『とびしま海道』の岡島村(愛媛県)にある『ナガタニ展望台』です。連なった島々を結ぶ豪快なルートとして、しまなみ海道と並んで人気があります。フェリーで大崎上島に渡ることもできるので、島の周りを走る人が多いのですが、注目していただきたいのは「なぜこんなに!?」と思われるほど立派な展望台の数々。とびしま海道はオススメですよ。
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