2022年に創業120周年を迎えるトライアンフモーターサイクルズの系譜#01(1902-1975)
- 掲載日/2022年07月27日
- 写真・協力/トライアンフ モーターサイクルズ ジャパン 文/成田 恒一
トライアンフモーターサイクルズの系譜第一弾!
トライアンフモーターサイクルズの始まりは、1885年創立された貿易商社「ジークフリード・ベットマン&カンパニー・インポート・エクスポート・エージェンシー」で、その後、1902年に最初のモーターサイクル「ナンバー1」を製作し、世に送り出した。そして今年、2022年に記念すべき120周年を迎えることになった。今回はそのトライアンフモーターサイクズの系譜を1902年から1975年まで写真を交えて紹介しよう。
1902 最初のトライアンフ
記念すべき最初のトライアンフ「ナンバー1」。マウリッツ・シュルツにより設計されたこのモデルには、ベルギーのミネルバ社製2.2馬力エンジンが搭載された。
1902年ロゴ
1907 年間生産台数1000台達成
年間生産台数が1,000台となり、トライアンフは3.5馬力を生み出す排気量450ccの新型を発表。工場はより広大なコベントリーのプライオリーストリートに移転。
1908 TTでの初勝利
1907年の第1回マン島TTで2位の成績を収めたジャック・マーシャルが、トライアンフに乗り、平均速度40mphで駆け抜けたシングルシリンダークラスで勝利。
1915 タイプH ‘TRUSTY’
トライアンフは499ccのタイプH ‘TRUSTY’を軍用車両として、第一次世界大戦の連合軍に供給開始。1918年までに、空冷式の単気筒バイク30,000台が軍用車両として供給された。
1915年ロゴ
1927 コベントリー工場
トライアンフのコベントリー工場では、500,000平方フィートの敷地に3,000名以上の従業員が働き、年間30,000台のモーターサイクルを生産。
1936 エドワード・ターナー
トライアンフの自動車部門とバイク部門は分離され、バイク部門はジャック・サングスターにより買収。彼は、すぐにエドワード・ターナーを会社のチーフデザイナーとして採用。
1937 SPEED TWIN登場
ターナーは、時速90マイルを超える498ccのスピードツインを発表。このモデルはブリティッシュモーターサイクルの基本であると考えられ、そのエンジンは以後40年に渡りトライアンフを定義するエンジンになった。
1937年ロゴ
1942 メリデン新工場
メリデンの新工場での生産が開始。この期間に50,000台以上のモーターサイクルが軍用に販売された。
1946 TIGER100/SPEED TWIN/3T
トライアンフは、TIGER100(アーニー・リヨンによるライディングで1946年のマンクスグランプリを制したモデル)とアイコニックなSPEED TWIN、そして、349㏄の小型エンジンを積んだ3Tの3車種の生産に特化。
1953 THE WILD ONE
映画“The Wild One”で、マーロン・ブランドが650㏄の1950 Thunderbird 6Tに跨り登場。
1953年ロゴ
1955 時速193マイル
テキサス出身のフリークたちにより造られ、チューニングされた650ccのThunderbirdエンジンを搭載した‘The Devil’s Arrow(悪魔の矢)’と呼ばれたストリームライナーで、ジョニー・アレンが時速193マイルという当時の世界最速記録をボンネビル・ソルトフラッツにて樹立。ここからトライアンフのパフォーマンス独占状態が15年連続で続く。
1956 時速214マイル
テキサス生まれのレーサー、ジョニー・アレンが同じ650ccのツインエンジンでボンネビルに戻り、ストリームライナー‘Texas Cee‒gar’が誕生。そこで絶対的な記録となった、時速214マイルのモーターサイクル世界最高速を再び樹立。
1959 T120 BONNEVILLE 650
T120 Bonneville 650の導入を開始。名高いソルトフラッツに敬意を表して名付けられたBonnevilleは、偉大なモーターサイクルとなり、常にイギリス製ツインエンジンモデルのトップセラーとなった。
1963 THE GREAT ESCAPE
第2次世界大戦を舞台にした映画「大脱走」で、スタントマンのバド・イーキンスと俳優スティーブ・マックイーンが1962 TR6 650 Trophyに跨り、ジャンプ、クラッシュシーンを演じた。
1966 時速245マイル
バディー・エルモアが500㏄エンジン搭載のTigerでグリッド後方からスタートし、デイトナ200マイルレースで優勝。さらにトライアンフの650ccツインエンジンを搭載したストリームライナー、Gyronaut X-1が時速245マイルをボンネビルスピードウィークで記録。
1967 レースでの成功
エルモアに続き、ゲーリー・ニクソンがTiger 100を駆り、デイトナ200で優勝。また、ジョン・ハーテがマン島プロダクションTT で成功を収める。イーブル・クニーブルがラスベガスのシーザースパレスの噴水をBonneville T120 TT Specialで飛び越えるシーンが有名になった。
1967年ロゴ
1968 750cc TRIPLE
世界初の750ccトリプルエンジンを導入。革命的なエンジンを搭載したTriumph TridentおよびBSA Rocket 3の発売を開始。
1969 史上初の時速100マイルTTラップ
マルコム・アップヒルがBonnevilleを駆り、マン島で開催されたプロダクションTTで優勝。このレースで、量産バイクでは初のラップレコード時速100マイルを樹立。
1970 アップヒル再びの勝利
アップヒルは再びプロダクションTTで優勝。このときにはチューニング済みの750cc3気筒エンジンを積んだTridentを使用。T120‘オイルインフレーム‘シリーズが発売。
1975 メリデン共同組合
スリッパリー・サムと呼ばれた750ccのTridentは、5年連続でプロダクションTTを制し、メリデン労働者協同組合が設立されたが、Triumph Tridentの生産は終了。
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