トライアンフ ストリートスクランブラー
- 掲載日/2017年03月31日
- 取材・文/佐川健太郎 写真・動画/山家健一 衣装協力/HYOD
正統派スクランブラ―の
スタイルを現代に再現
2016年11月に開催されたEICMA(ミラノショー)において、水冷ボンネビルシリーズの最新モデルとして発表されたのが「ストリートスクランブラー」である。同シリーズ中で最もベーシックなモデルであるストリートツインをベースに ワイドなハンドルバーを備えたアップライトなライディングポジションと19インチのフロントホイール、長いリアショック、メッツラー製デュアルパーパスタイヤを備えたモデルである。ちなみに“スクランブラ―”とは、ダートなどの不整地を走りやすくするためにオンロードバイクを改造したもので、オン(アスファルト)とオフ(ダート)の棲み分けが曖昧だった時代に流行ったカスタムのひとつのスタイルである。その意味でストリートツインがベースの派生モデル(つまり改造車)であることも含め、これは正真正銘、現代のスクランブラ―と言えるモデルなのだ。
トライアンフ ストリートスクランブラー 特徴
大径ホイールにアップマフラーなど
ダートを意識した装備が魅力
ストリートスクランブラ―は、水冷エンジンを搭載する新世代ボンネビルシリーズのエントリーモデルであるストリートツインがベースになっている。従来型のスクランブラ―は空冷並列2気筒865ccエンジンを搭載するボンネビルT100がベースだったが、これに比べるとひと回りコンパクトな車体と洗練されたスタイリングが特徴となっている。
エンジンはストリートツイン系の水冷並列2気筒SOHC4バルブ900ccを採用するが、元々高トルク型の出力特性を強化することで低中速域でのトルクをさらに高めているのが特徴。270度クランクによる鼓動感溢れるパワーフィールも魅力となっている。現行ボンネビルシリーズと共通のライド・バイ・ワイヤー式FIと水冷システムの組み合わせにより、優れたスロットルレスポンスやコントロール性とともに低燃費とクリーン排気を実現している点もポイントだ。
電子制御を導入した最新の装備も見逃せない。前後ディスクブレーキには切り替え式ABSを装備し、切り換え式のトラクションコントロールシステムとともに安全性を向上、クラッチレバーの操作力を軽減するトルクアシストクラッチにより街乗りや長時間走行での快適なライディングをサポートしている。
そして、最も目を引くのはスクランブラ―らしい個性的なスタイリングだろう。ストリートツインよりワンサイズ大きいフロント19インチを採用する前後クロススポーク仕様のホイールや、ショック長を伸ばしたリアサスペンション、ワイドハンドルバーやメッツラー製デュアルパーパスタイヤをOE装着するなど、ダート走行での走破性やコントロール性を高める仕様になっているのが特徴。中でもハイマウントされた右側2本出しステンレスマフラーは、スクランブラ―としての象徴的な機能アイテムとしてデザイン面でもアピールポイントになっている。
LEDリアライトやシート下のUSB充電ソケットなどの現代的な装備や、ロックキャップ付き燃料タンク、黒塗りのエンジンカバーに輝くエンブレムバッジなど、クラシカルでグレード感溢れるディテールも魅力だ。
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