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サンダーバード コマンダー/LT インプレッション!

サンダーバード コマンダーの画像

トライアンフは本国から新型クルーザーだけでなく、ロンドンバスや電話ボックスまで持ってきた。これはまさにクルーザー大国への挑戦状。性能は申し分なし、価格も予想よりお買い得だった。2014年はクルーザー覇権争いが激しくなりそうだ。

日本では2014年5月に発売予定の
サンダーバード コマンダーとLTをいち早くインプレッション!

今回、試乗ツーリングを行なった2台は2014年5月に日本でも発売される予定だ。サンダーバードコマンダーそしてサンダーバードLTの2機種はいずれも現行販売しているサンダーバードストームとエンジン周りを共通としている。しかし、シャシーをはじめ、ハンドル、シート、タンクなど各所の見直しが行なわれた。ストームは、見た目もそうだが、良くも悪くも少々“とがった”マシンだった。どろっとした鼓動感や、身長175cmの僕だと腕が突っ張ってしまうハンドルなど乗る人を選ぶマシンだった。それが今回の2機種はどちらもとにかく乗りやすかった。自然なポジションや激しすぎない鼓動感など、ニーグリップのしやすさなど随所に大きすぎると感じない工夫が凝らされていたと思う。水冷DOHC並列2気筒のエンジンは1699ccあり、世界最大の並列2気筒エンジンとされている。どんな速度からでもずぶといトルクが生み出す加速感を感じられた。最大トルク156Nmが2,950rpm時に発生するため、発進のたびにお尻を後ろから押されるような力強さを味わえる。6速ミッションも快適で、日本の高速道路で走るような速度で巡航をしていたが、常に5速でさえ余裕を持っていた。

コマンダーは見た目の通り、ワイルドで軽快なマシンだった。外へ広がったハンドルでゆうゆうとクルージングをするのに最適だ。マイルドに抑えられた鼓動感は乗り手の心へ響くような、深く心地いいものがあった。

LTはコマンダーと同じセッティングだが、車重やポジション、タイヤの違いから乗り味はまるで異なるものだった。どっしりとした重厚感があり、鼓動はさらに落ち着いている。ロングスクリーンのおかげで、コマンダーの日よりも距離を走っていながら疲れは薄かった。便利なサドルバッグもついていて、ツーリング主体の使い方をするなら、こちらで間違いなさそうだ。ちなみにスクリーンもバッグも簡単に外すことができるので、2度おいしいとも言えるかもしれない。

フォトTOPICS(写真点数/49枚)

サンダーバード コマンダーの画像
01サンダーバードLT(右)とサンダーバードコマンダー(左)。一挙に2機種の発表で、クルーザーシリーズは一段と手厚くなった。このほか2013年末には865ccのアメリカやアメリカLT、新しくなったスピードマスターも発表されている。
サンダーバード コマンダーの画像
02ワイルドな印象のサンダーバードコマンダーはブラックも渋い。このカラーはファントム・ブラック/ストーム・グレイのツートン。カラーを抑えた分、スタイリングが目立ってくる。
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03レッドは英国風の深みのある色。落ち着いた印象で、乗り手の年を選ばない仕上がりだ。こちらもツートンでクリムゾン・サンセット・レッド/ラバ・レッドの組み合わせ。
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04ハンドル幅が広いコマンダー(全幅990mm)。それでもグリップエンドが上体に近いところまできているので、身長175cmの筆者でも腕が突っ張ってしまうことはなく、余裕を持って操作することができた。
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05バンク角は深くないが、コーナリングに入るのが嫌なバイクではなかった。それは車体との一体感が寄与しているようだ。膝でがっちりとタンクを押さえ込めるのがありがたい。お尻を包み込むようなシートも安心感がある。
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06サンダーバードコマンダーのデュアルヘッドライトはロービームでも両方が点灯している。デュアルヘッドライトは見た目のワイルドさだけでなく広範囲に照らすメリットがあるので夜はすこぶる走りやすい。
サンダーバード コマンダーの画像
071699ccといわれて、かなり大きいのかなと思ったら車格は扱いやすいものだった。175cm(足短め)の筆者でも、自然と足を置くことができたフットボード。シフトチェンジも足がツンツンになることはない。スタンドをはらうときだけ、「もう少し足が長ければ」と思った。
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08ニーグリップがしっかりとできるので、峠道でも車体がぶれることなく安心して走れた。タイヤは前後とも17インチ。標準的でコーナリングも自然と身体を傾けると曲がっていく印象だった。
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09タンクからリアフェンダーへ連なるツートンカラーは後ろから見ても美しい。左右対象に出ているマフラーも、ボンネビルなどでも得意とするトライアンフらしい仕上げだ。
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10サンダーバードコマンダーのポジションチェック。身長175cmの筆者でも余裕さえ感じるポジションだった。タンデムシートとの段差があり、この部分が絶妙に臀部にフィットし、急な加速にも対応するよう支えてくれる。
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11山サンダーバードコマンダーの足つき性をチェック。シート高は700mmとかなり低いので身長175cmの筆者の場合は両足べったり。車重は349kgとけっこうな重さだが、平地ならこのままの姿勢でバックすることも苦ではなかった。
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12水冷ながらフィンのきられた美しいエンジン。日本でもすでに現行販売されているサンダーバードストームと同じエンジンを使っている。水冷DOHC並列2気筒270°クランクの1699cc。
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13サンダーバードコマンダー、サンダーバードLTともに駆動はベルトドライブ。心地いい滑らかな加速を実現するとともに、丈夫でメンテナンスの頻度が少なくてすむのが美点。
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14サンダーバードコマンダーのマフラーは左右均等の2本出しでやや細め。主張しすぎず、すっと後方に伸びている。物足りない人は太くてアップしているものに換えれば、現行のサンダーバードストームのように「ワル」な印象に変わるだろう。
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15ワイルドな印象に貢献しているサンダーバードコマンダーのデュアルヘッドライト。ロケットスリーやストリートトリプルなどトライアンフのバイクには二眼が似合うモデルが多い。
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16タンクのエンブレムはサンダーバードコマンダーとサンダーバードLTで異なるものを採用している。ちなみにどちらもタンクには伝統のコーチライン(手書きの線)が引かれている。
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17メーターはデジタル、アナログ併用式。スピードだけはアナログで、あとはデジタル画面をハンドルについたボタンを操作して確認。便利な機能として、航続可能距離も表示できる。
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18快適なハンドリングに大きく貢献しているフロントフォークはシュラウド付きの47mm Showa製フォーク。ラジエーターは大型ながら、左右から出るエキゾーストパイプの奥にあるため、このように覗き込まなければ、あまり目立たない。
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19サンダーバードコマンダーのフロントフェンダー。美しいクリムゾン・サンセット・レッド/ラバ・レッドのツートン仕上げ。フロントフェンダー、ガソリンタンク、リアフェンダーへと流れるようなラインが特徴的。
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20シフトペダルはクルーザーの定番、シーソー式。広いフットボードで快適だった。もちろんシーソーを使わなくてもギアをアップすることはできる。甲に厚みのあるエンジニアブーツでもスムーズにギアチェンジをできた。
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21トライアンフのバイクでよくある欠点は荷物が積みにくいことだ。このサンダーバードコマンダーもストレッチコードなどのフックを掛ける場所がないので工夫が必要だ。サドルバッグはオプションで用意される見込み。
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22テール周りはサンダーバードコマンダー、サンダーバードLT共通になっている。ノーマルでもウインカーが小さめでスマート。飛行機の尾翼を思わせるスタイリングだ。
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23テールランプは大きめのLEDライトが標準採用されている。シートの裏にはトライアンフロゴの押し型が施されている。これもボンネビルなどとも共通するトライアンフのバイクの特徴だ。
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24大型スクリーン、サドルバッグ、バックレストが標準装備のサンダーバードLT。ツーリング主体の使い方ならコマンダーよりもこちらがお得。ちなみにLTは「Light Touring」(ライトツーリング)の略。
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25サドルバッグが標準装備されているバイクの美点はバッグ込みで、スタイリングのデザインが行なわれること。リアフェンダーにぴったり沿ったサドルバッグは、後ろから見たときとても美しい。
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26サンダーバードLTもカラーリングは2パターンがラインナップされる予定だ。コマンダーと同じくどちらもツートン。爽快な印象のカスピアン・ブルー/クリスタル・ホワイトと、英国らしい赤が特徴のラバ・レッド/ファントム・ブラック。
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27アメリカの土色にも似合うラバ・レッド/ファントム・ブラックのサンダーバードLT。本革のサドルバッグがツーリングクルーザーの風格と高級感に貢献している。ホワイトウォールのラジアルタイヤも存在感がある。
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28深みのあるレッドのカラーリングにはメッキパーツがよく映える。スクリーンが標準装備で開発されたモデルなので、高さの考慮もなされている。リアシートのバックレストとのバランスが絶妙だ。
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29少しかがめば顔がすっぽり入る大型スクリーン。砂の舞う砂漠のような荒野をオープンフェイスのヘルメットで走行していたのだが、苦にならないレベルで走行できた。スクリーンは高いだけでなく、幅もあるので雨天時も濡れにくいはずだ。
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30真横から見ると、ロングスクリーンとリアのバッグレストで全体のバランスが取れているのがよく分かる。爽快なブルーの車体色とホワイトウォールタイヤは相性ばっちり。ツーリングパーツがついていながら軽快な印象が強い。
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31サンダーバードLTはサンダーバードコマンダーに比べてハンドル幅が3cm狭く、バーエンドは下へ向かって下がっている。コマンダーに比べると、より自然なポジションで乗ることができる。(モデルは175cm)
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32サンダーバードLTのシート高はサンダーバードコマンダーと同じく700mmとかなり低い。そのため、175cmの筆者でも、両足べったりだ。LTの車重は390kgもあるので、これはありがたい。
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33サンダーバードLTのヘッドライトは補助スポットランプ付きで、サンダーバードコマンダーのデュアルヘッドライトに負けない存在感。ウインカーは補助スポットランプから釣り下がるように配置されている。
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34サンダーバードLTに標準装備されている大型スクリーンは強度の高い4.5mm厚のポリカーボネート製。必要のないときは簡単に外すこともできる。外せば軽快感が増して、また違った印象の見た目となる。
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35サンダーバードLTに付いている大型スクリーンの前面。こんなところにも、さりげなくトライアンフのエンブレムがあしらわれている。標準装備でこその配慮。オプションで付ける社外品ではこうはいかない。
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36サンダーバードLTのメーターはサンダーバードコマンダーと同様のデジアナ式が採用されている。燃料ゲージ、航続可能距離表示、ツイン・トリップ、オドメーター、時計機能がある。操作ボタンはハンドルについていて左手で行なう。
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37サンダーバードLTのフロントフェンダー。トライアンフの誇る技術、コーチライン(手書きによるライン)がここにもあしらわれている。オーナーの所有感を増幅させるこだわりだ。
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38ホワイトウォールのラジアルタイヤがサンダーバードLTの大きな特徴のひとつ。このバイクのために英国のタイヤメーカーAvonが手がけた特注モノだ。タイヤサイズは前後とも16インチでサンダーバードコマンダーより1インチ小さくなっている。
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39シートはサンダーバードLTとサンダーバードコマンダー共通となっていて、新開発されたもの。二層式フォームを採用していて、座った瞬間はソフトで、加速時など圧がかかると締まっていき、しっかりとお尻をホールドする。極上のすわり心地だった。
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40リアシートにも同素材の二層式フォームが採用されているので、快適にタンデムでのロングツーリングも楽しめることだろう。彼女や奥さんにバイクを嫌がられることが少なくなるかも!?
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41サンダーバードLTにはバックレストがついている。これがあることで、リアシートへのパッキングもしやすくなるため、ソロツーリングでも重宝するだろう。(大きいバッグの場合はバッグレストを外したほうが積みやすい)
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42左右均等サイズの大型サドルバッグは本革を惜しみなく使っている。リアサスペンションとリアフェンダー、マフラーにちょうどフィットした設計で美しくまとまっている。
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43ぴったりサイズのインナーバッグが標準装備されている。レインカバーがついていない代わりに、このインナーバッグが防水使用となっている。泊まりのツーリングなどで活躍するだろう。
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44インナーバッグは丈夫な防水性。バッグと同じ形状をしていて、スペースに無駄を作らない。ちなみにサドルバッグ内には12V電源を取れる機構があり、スマホの充電などができるようだ。
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45ホワイトウォールのタイヤとよく似合うホワイト・スプロケット。細かいところまでスタイリング面で計算されているのが見てとれる。駆動はサンダーバードLTとサンダーバードコマンダー共通のベルトドライブ。
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46サンダーバードLTは逆三角形のサイレンサーも特徴的。しゅっとしていて精悍な印象がある。ちなみにサンダーバードLTにはパッセンジャー・フットボードも付いていて、2人乗りの快適性は高い。
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47サンダーバードLTはマフラーエンドも逆三角形の形状をしている。サドルバッグのやや少し後ろまで延びていて、収まりのよさは抜群。サウンドはノーマルマシンのため、もちろん抑え目。
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48サンダーバードLTのテール周り。飛行機の尾翼を思わせるデザイン。この部分はサンダーバードコマンダーと共通のデザイン、パーツとなっている。
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49トライアンフ本国のプロダクトマネージャー、サイモン・ワーバートンさん。今回の2機種はシャシーにこだわり快適なハンドリングを追求した、としきりにコンフォート(快適性)について語っていた。

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