メインエントランスの左側がミュージアムの入り口となっている。それでは中に入ってみよう。
トライアンフ本社ビジターエクスペリエンスセンターの
歴代名車が展示されたミュージアムをレポート
英国トライアンフ本社のファクトリービジターエクスペリエンスセンター体験レポート第二弾。今回はトライアンフ1902カフェとトライアンフショップに隣接するかたちで設置されている歴代の名車が展示されたミュージアムを紹介しよう。
1階部と2階部で構成されているミュージアムの1階には、1902年に製作された第一号車からレーサーや映画で使われた車両などが整然と展示されている。まさにトライアンフの歴史を物語る貴重なコレクションとなっている。中でも最大の見所は、スティーブ・マックイーンの映画「大脱走」で登場した1962年式のTR6 TROPHYだ。この車両は撮影用に用意されたスペアの車両をレストアしたもので、ここでしか見ることができない、本当に貴重な車両である。2階は現行車の試作モデルやパーツ、カスタムモデル、ウェアなどが展示されている。
まず展示されているのは、現行モデルの2017年式THRUXTON RとTIGER EXPLORER。
そして記念すべきトライアンフモーターサイクルズの第一号車、1902 TRIUMPH No.1が展示されている。エンジンは排気量211ccの空冷4ストローク単気筒を搭載。まさに自転車のようなシャシーである。
続いては1916 MODEL H(TRUSTY)。エンジンは排気量550ccの空冷4ストローク単気筒で4hpを発揮する。
排気量498ccのバーチカルOHVパラレルツインエンジンを搭載する1937 SPEED TWIN。車両重量はわずか166kgだ。
歴代のタンクエンブレムも展示されている。まるでアートのような出来である。
1949 6T THUNDERBIRD。排気量650ccの空冷OHVパラレルツインエンジンは34ph@6,300rpmを発揮する。
非常に珍しい1973 X-75 HURRICANE。空冷三気筒の740ccエンジンを搭載した現代的なモデル。当時のオリジナルプライスは895ポンドであったという。
1991 DAYTNA1000。水冷4ストロークDOHC4バルブの排気量998cc四気筒エンジンは120bhp@10,500rpmを発揮。
左の車両は排気量490ccの単気筒エンジンにトライアンフのパテントキャブレターを装着した1909 3・1/2HP TTRACER。右は1946 PROTOTYPE TIGER 100。
左から排気量741ccの空冷OHV三気筒エンジンを搭載した1971 GENE ROMERO EX-WORKS RACING TRIPLE、1972 SEELEY-TRIDENT RACER、一番右は排気量600ccの水冷DOHC直列4気筒エンジンを搭載した2003 TT600 DAYTONA。
タイヤにドロが付いたままの1962 ISDT WINNING TIGER 3TA。
ランドスピードレーサー、1956 TEXAS CEE-GAR。排気量650ccのサンダーバードエンジンにツインキャブが装着されている。1956年のボンネビルソルトフラッツで平均速度214.4mphのワールドレコードを記録した。
ボディの後方にエンジンを搭載。パネルの穴はマフラーの排気口となっている。
映画「ミッションインポッシブルⅡ」でトム・クルーズが使用した1999 SPEED TRIPLE。ボディ後方には弾痕のエイジングが残されている。
コチラのマシンは映画「ジュラシックワールド」で使用された2014 CUSTOM SCRAMBLER。
スティーブ・マックイーンの映画「大脱走」で登場した1962年式のTR6 TROPHY。撮影する角度で、実際にマックイーンがハンドルに手をかけてバイクの側に立っているように見えるというギミックが隠されている。
アナログメーターをイメージしたアトラクションでトライアンフのヒストリーを映像とサウンドで体験できるコーナーも用意されている。
続いて2階部分を紹介しよう。コチラは現行スピードトリプルを構成するパーツが展示されたコーナー。
スピードトリプルを構成するパーツがどのようにテストされ開発されたかが、それぞれの部位で分かりやすく展示されている。
ボンネビルボバーのデザイン画からプトロタイプモデル、そのコンセプトに至まで、一台のバイクが開発される過程が解説されたコーナー。
純正カスタムパーツやオリジナルのカスタムペイントが施されたフューエルタンクがマシンとともに展示。
トライアンフ ファクトリーカスタムビルドオフで製作された2014 TFC-1:THE BOBBER。方持ちのリジッドフレームにガーターフォーク、吸排気が前後逆のエンジンに注目!
トライアンフ純正ウェアの機能が紹介されたコーナー。展示方法も洒落ている。
最後にツアーに参加したトライアンフ正規販売網の皆さんで記念撮影。
ミュージアムの出口横には「WE ARE DRIVEN TO MAKE THE BEST MOTORCYCLES IN THE WORLD.」の文字と、トライアンフモーターサイクルズのCEO、ニック・ブロアー氏のサインが描かれている。